常緑キリンソウ袋方式

 常緑キリンソウ専用土壌を袋に入れ、「土壌流亡」「雑草防止」「簡単緑化」を実現した新しい緑化方式が「常緑キリンソウ袋方式」(EGKバッグ)です。
この他、下記の特性があります。
・袋の植生基盤材の蒸散効果防止効果があり、ローメンテナンスである。
・潅水設備が不要のため、土木的な構造物にも対応できる。コンクリート壁面、モルタル吹付面、亀裂のない 岩盤部など安価で、簡単に緑化できる。
 標準サイズ(単位㎜)  (現場に合わせた寸法のオーダーが可能である)
 ・屋上緑化:250*1000&500*500
 ・折板屋根:250*1000
 ・壁面緑化:350*1000

環境ハイブリッド緑化

近年、地球温暖化が進む中ハイブリッドカーは非常に注目を浴び、ハイブリッド自動車は、エンジンと電気モーターを使い分けて燃費を稼ぐ環境に良いシステムです。 

屋上緑化など環境に配慮すべき緑化もこれらの事を考えるべき時期にきているのではないでしょうか。 

通常、緑化施設では人工潅水を主として行われていますが、上水を使う事は貴重な水資源を大量に使用し、潅水装置においては電気エネルギーを使う事から必ずしも環境に良いとは言い切れません。しかしながら植物全般、人工的な緑化施設においては潅水をしないと植物は枯死してしまいます。 

人工潅水することによって、光合成が行われ蒸散する事で周辺の温度を下げている現象が自然にやさしいと考え違いしているのではないでしょうか。 

その中でベンケイソウ科キリンソウ属キリンソウは乾燥条件が続き、乾燥ストレスになると昼夜にわたって気孔を閉鎖し、水分の消耗を防止しながら長期間生存する特性を持っており、乾燥に非常に強く天然雨水のみでの生息が可能ではあるが、蒸散効果が低く大気の温度を下げる効果が無いと言われていますが、蒸散による冷却を期待するには人工潅水を行う事で光合成を行わせることが出来る貴重な多肉植物です。 

このキリンソウは給水下においてはC3型の光合成を営むが、吸水停止状態ではCO2吸収が停止し、CAM型になるという特徴を持っています。これを誘導型CAM植物といいます。 

 エネルギーを必要とせず薄層で天然雨水のみで生育が可能な植物ですが、ハイブリッドカー同様人工潅水と天然雨水を使い分けることで光合成が可能な植物です。 

下記のデータのように潅水を行った直後は他の植物同様(C3)の蒸散効果が得られます。 

  

 都市部の集中豪雨、異常気象による夏場の水不足が懸念される昨今、誘導型CAM植物の特性をもったキリンソウは厳しい自然環境にも対処できる『ハイブリット緑化』といえるのではないでしょうか。 

<多肉植物のミニ知識> 

光合成:緑色植物が光(太陽光)のエネルギーを用いて、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)からデンプンなどの炭水化物(グルコース)を合成し、酸素(O2)を放出すること。 

植物の光合成による分類 

  1. C3型植物:通常の光合成をする植物。90%の植物がこのタイプ。植物は日中、葉の裏にある 

       気孔を開き、二酸化炭素を取り込み、太陽光を浴びることで糖やデンプンを作る。そのときの副産物で酸素や水分もまた気孔から放出している。      

  1. C4型植物:これに分類される植物はトウモロコシ、サトウキビなどがあり、高い二酸化炭素 

濃縮機能を備えている。そのためC3型に比べ、約2倍の光合成ができる。高温乾燥した過酷な地域でも生育できるし、生育速度も速いのが特徴。 

  1. CAM型植物:サボテン、アロエなどの多肉植物とパイナップルなどが代表的。 

昼間に二酸化炭素を取り込まないで、夜にこっそりと気孔を開き二酸化炭素を吸収し、それをいったんりんご酸に変質させ、液胞という袋に保存しておくといった面倒なことをしている。そして昼間になると気孔を閉じたまま、りんご酸を分解して得られる二酸化炭素を使って太陽光を浴びつつ光合成をする。 

  CAMとはcrassulacean acid metabolismの略でベンケイソウ型有機酸代謝を意味する。これらの植物はもっぱら乾燥地帯に生息するため、気温の高い昼間に気孔を開くことが自殺行為だとわかっているのだ。不用意に蒸散し、水分を喪失しまいとしている。乾燥を少しでも避けるため、地道な節水をしているのだ。