コンクリート擁壁は大別して重力式コンクリート擁壁と鉄筋コンクリートL型擁壁(逆T型擁壁もこれに含む)に分けられます。重力式コンクリート擁壁はその重さで背面の土の圧力を支えるものですが、L型擁壁はLの形をした鉄筋コンクリート製の壁体と底盤からできており、その底盤の上にのった土の重量も含めて背面の土の圧力を支えるものです。
重力式コンクリート擁壁の構造は無筋コンクリート造、型は鉄筋コンクリート造ですが、背面はどちらも土に埋まっていて、正面のコンクリート面しか見えません。
擁壁天端幅を見ると重力コンクリート擁壁は40㎝前後、鉄筋コンクリートL型擁壁は20㎝~30㎝と重力式コンクリート擁壁より幅が狭いのが特徴。また、擁壁天端の背面を掘って擁壁の勾配を見ると重力式コンクリート擁壁は勾配が緩いのに対し、鉄筋コンクリートL型擁壁は垂直となっていて壁厚が薄いのが特徴である。
鉄筋コンクリートL型擁壁の場合は潅水設備が必要となることもあるが、重力式コンクリート擁壁には潅水設備は不要である。
前記、壁面緑化に同じく、常緑キリンソウ袋方式(EGKバッグ)では、下記の特性がある。
・EGKバッグにより、土壌の流出防止ができ、恒久的な緑化が可能である
・コンクリート壁面など、簡易的なアンカーで簡単に固定できる。
・砂防えん堤と同じく、観光地など景観に配慮する地域にでも簡単に施工可能。
・急峻勾配(1:0.2より緩斜面)でも、天然雨水のみで、恒久的な緑化ができる。
・常緑キリンソウは耐潮性があるため、海岸部の構造物の緑化提案が可能である。
(これはトットリフジタ1号の原種は海岸部に自生していたことに起因する)
重力式擁壁の施工例